なんで僕がうつ病に!?②~繰り返す悪夢と不眠症の巻~

うつ病体験記

「思ひつつ 寝ればや人の 見えつらむ 夢と知りせば 覚めざらましを」(小野小町)

ちせいです。

突然だが、眠るのが怖い、と思った経験のある方はどのくらいいるだろうか? 普通の人間は、おそらく眠ることがある種の喜びであり、快感であり、そして本能でもある。そして少なくとも人間は、眠ることによって心身に溜まった負荷を取り除くことができる、そういう風にできているのだ。

眠ることが怖い、というのはどういうことか。僕の場合、夢を見るのが怖くて嫌だから眠りたくない、と言うのがより正確だった。婚約者と別れてから、僕は毎晩のように、いや、一晩で三回は彼女の夢を見続けた。いろんな夢だ。例えば丸6年間の楽しかった思い出のフラッシュバック的な夢、別れてから彼女に再会したけれど、僕がどれだけ近づいても彼女が遠ざかっていく夢、あるいは再会して寄りを戻して円満に終わる夢、彼女が他の男の女になる夢。本当にいろんな夢だ。そして、例えどんな内容の夢を見ても、結局、目が覚めたら僕は一人ぼっちだった。いつも僕の横で寝ていたはずの彼女は、もういない。眠って起きるたびに、僕はその地獄を無限にループし続けた。

好きな人、愛する人のことを思いながら眠ると、その人が夢に出てくるものだ。そして、かつて小野小町が詠んだように、もしそれが夢だと知っていれば、目なんて覚めなくてよかったのだ。もはや現実で彼女に会うことさえできなくなっていた僕は、たとえ夢の内容が僕にとってどれだけ辛いものであったとしても、彼女の姿を目にすることができるだけで、まだ現実よりは幸せだったのだ。だからこそ、僕は眠りから覚めるごとに、底知れない絶望感をいつも感じていたのだ。眠るのが怖い、ということに先行して、そもそもまず眠りから目覚めることがたまらなく嫌だったのだ。そしてそこからは果てしないジレンマの連続だ。彼女のことが忘れられなくて、会いたいと思いながら眠りに就き、夢で彼女が出てくる。幸せに満ちた夢も見れば、文字通り心が引き裂かれるような夢も見る。もうそんな夢なんて見たくはないと思っていても、結局僕が彼女のことを考え続けるかぎり、僕は何かしらの形で彼女の夢を見る。畢竟、どんな夢であれ、僕は彼女の姿を再び見ることができることを本能的に望んでいるのであり、そして彼女の夢を見て、目が覚めると現実の世界に突き返される。まさに地獄だ。

そういうことが続くと身体にどういうことが起こるか想像できるだろうか?

まず、夢を見るたびに起きるようになる。そうすると、眠ってから1~2時間くらいで目が覚める。そして目が覚めると絶望し、眠れなくなる。ようやく眠れたと思ったら、また悪夢を見て2時間もしないうちに目が覚める。それを繰り返すと、トータル約8時間くらいの睡眠でも、2時間くらいの睡眠を4回繰り返していることになる。そして夢を見ることが嫌になってくると、今度は寝付きが悪くなる。一度目覚めたら2時間は寝付けない。そうなったら、夜布団に入ってから朝いつも目覚めるくらいの8時間の間に、実際に眠れている時間が少なくなる。こういうことを繰り返すことで、入眠障害と中途覚醒という睡眠障害に陥り、心の不調は第二段階に入る。

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